リッケンバッカー620に憧れてはいるものの、『癖が強そうで自分に弾けるかな』と一歩踏み出せずにいませんか?実は、このギターには見た目だけではない、弾いた人にしかわからない深い魅力がたっぷり詰まっています。
この記事では、多くのギタリストを虜にするリッケンバッカー620の魅力を徹底解剖します。他にはない唯一無二のルックスと音の秘密はもちろん、手に入れたその日から迷わず使いこなすコツまで、プロの視点でわかりやすくまとめました。
この記事を読み終える頃には、620を相棒にしてステージに立つワクワク感が止まらなくなっているはずですよ。
リッケンバッカー620が愛される最大の魅力

あのキラキラした音が忘れられない。そんな経験、ギター好きなら一度はありますよね。リッケンバッカー620は、歴史を作ってきたスターたちが愛し、現代でも唯一無二の存在感を放つ特別な1本です。ここでは、なぜ世界中のギタリストがこのギターを離さないのか、その理由をお伝えします。
伝説のバンドたちが選んだ歴史あるサウンド
リッケンバッカーは、ビートルズのジョン・レノンやザ・スミスのジョニー・マーといった偉大なミュージシャンに愛されてきました。彼らの音楽を支えてきたのは、他では出せない「ジャングリー」と呼ばれる煌びやかな音色です。
ただの懐古趣味ではありません。今の音楽シーンでも、この鋭いサウンドは音の隙間を埋めるのに最適です。バンドの中で音が埋もれず、キラリと光るアクセントになってくれます。
- ビートルズやザ・スミスなどの歴史を彩った音
- 「ジャングリー」と称される独自のキラキラ感
- 現代のロックやポップスでも埋もれない存在感
ステージで一際目を引く芸術品のような佇まい
620の見た目は、まさに唯一無二です。波打つような独自のボディラインは、1950年代にデザインされた「クレスティング・ウェーブ」と呼ばれるスタイルです。
一般的なストラトやテレキャスとは一線を画すシルエットは、ステージで構えるだけで観客の目を釘付けにします。豪華なバインディングやトライアングル・インレイなど、所有欲をこれでもかと満たしてくれる仕上がりです。
- 1950年代から続く伝統のボディ形状
- ボディの縁を飾る美しいバインディング
- 指板に輝く三角形のパール装飾
小ぶりなボディが生む抜群の取り回し
リッケンバッカーの中でも620はソリッドボディ(中身が詰まった構造)で、サイズもコンパクトです。フルアコやセミアコのような大きなギターに比べて、体にぴったりとフィットします。
ライブで激しく動き回る人にとっても、このサイズ感は大きな武器になります。抱えやすいため、長時間の練習でも疲れにくいのが嬉しいポイントです。特に日本人の体格には、この小ぶりなサイズがしっくり馴染みます。
唯一無二のルックスを実現したデザインの秘密

リッケンバッカー620特有の、あの尖ったデザインには全て意味があります。見た目だけで「ジャケ買い」しても後悔させないだけの、職人のこだわりが詰まっているからです。ここでは、思わず見惚れてしまう各パーツの秘密を深掘りします。
波打つような「クレスティング・ウェーブ」の造形
ボディの上下が波打つような「クレスティング・ウェーブ」デザインは、リッケンバッカーの象徴です。これはドイツ人デザイナー、ロジャー・ロスメイズル氏が生み出したもので、1950年代から変わらない伝統的な形です。
この左右非対称のフォルムは、座って弾くときも立って弾くときも、ギターの重心を安定させてくれます。見た目の美しさだけでなく、演奏性の高さも計算されているのが620の凄いところです。
- 左右非対称のボディが演奏時の安定感を生む
- 座っても立っても体にフィットする設計
- 唯一無二のシルエットで一目でリッケンとわかる
豪華さを際立たせるバインディングとインレイ
620が高級に見えるのは、ボディとネックの両方に「バインディング」と呼ばれる装飾が施されているからです。白く縁取られたラインが、ボディの輪郭をくっきりと浮かび上がらせます。
さらに、指板に輝く「トライアングル・インレイ」も欠かせません。三角形のパール装飾が、安価なモデルとの圧倒的な差を見せつけてくれます。照明の下でキラリと光るこのパーツこそ、620を持つ喜びの1つです。
ブランドの象徴である「R」ロゴのテールピース
弦を留める部分にある「R」の文字。これがリッケンバッカーの印です。クロームメッキで仕上げられたこのテールピースは、もはや楽器の部品というよりジュエリーのような美しさです。
弦交換のときに少しコツがいりますが、このパーツがあるからこそリッケンバッカーだと一目でわかります。他のどのブランドも真似できない、圧倒的なブランドアイデンティティです。
他にはない鋭い音を出すピックアップと構造

リッケンバッカー620の音は、見た目以上に個性的です。中身を詳しく見ていくと、なぜあんなに煌びやかで、かつ芯のある音がするのかが見えてきます。メイプル材と特殊な構造の組み合わせが、この音の正体です。
高域が心地よく突き抜けるハイゲイン・ピックアップ
620には、リッケンバッカー独自の「ハイゲイン・ピックアップ」が2基載っています。これはシングルコイルの一種ですが、一般的なものより出力が高く、高音域が力強く鳴り響きます。
コードを鳴らしたときの「チャリーン」という鈴鳴りのような音は、このピックアップにしか出せません。音が太すぎないので、アルペジオの1音1音がはっきりと耳に届きます。
- 高域の煌びやかさが際立つオリジナル設計
- アルペジオを美しく聴かせる分離感の良さ
- クリーンから軽いクランチでの音色が絶品
音を太く長く響かせるスルーネックの恩恵
620の構造的な特徴は、ネックがボディの端まで貫通している「スルーネック構造」です。ボディを挟むように木材を貼り合わせているため、弦の振動がロスなくボディ全体に伝わります。
これにより、ソリッドボディでありながら驚くほど豊かなサスティーン(音の伸び)が得られます。ソロを弾くときも、音が途切れずにスッと伸びていく感覚は格別です。
- ネック材がボディエンドまで続く1体構造
- 振動の伝達が良く、音が長く伸びる
- ハイポジションまでストレスなく指が届く
メイプル材を贅沢に使った硬質でクリアな響き
リッケンバッカーのほとんどのモデルと同じく、620もボディ材には「メイプル」が使われています。メイプルは硬くて重い木材なので、音がこもりにくく、非常にクリアな響きになります。
レスポールのようなマホガニーボディの甘い音とは対照的で、どこまでも突き抜けるような「硬い音」が楽しめます。エフェクターの乗りも良く、音の芯がぼやけません。
| 項目 | リッケンバッカー 620 スペック |
| ボディ材 | メイプル |
| ネック構造 | スルーネック(メイプル) |
| 指板 | ローズウッド(トライアングルインレイ) |
| ピックアップ | ハイゲイン・シングルコイル × 2 |
| スケール | 24.75インチ(ミディアムスケール) |
独自のコントロールを上手に使いこなすコツ

リッケンバッカーには、他のギターにはない「5つ目のノブ」があります。これを使いこなせるかどうかが、良い音を出せるかの分かれ道です。初めは戸惑うかもしれませんが、仕組みさえわかればこれほど便利な機能はありません。
第5のノブ「ブレンダー」を回して音色を整える
大きなノブが4つと、少し小さなノブが1つあります。この小さなノブが「フィフス・コントロール」と呼ばれる独自のブレンダーです。
フロントピックアップの音量を微調整する役割があり、これを回すことでミックスポジションでの音の太さをコントロールできます。回しきるか、半分くらいにするかで、音の抜け方が劇的に変わります。
- フロントピックアップの出力を微調整する
- ミックス時の「甘さ」と「キレ」のバランスをとる
- 自分だけの黄金比を見つけるための魔法のノブ
前後のピックアップを混ぜた時の音のバランス
セレクタースイッチを真ん中にした時のミックスサウンドが、620の真骨頂です。第5のノブをフルテン(最大)にするとフロントの太さが増し、少し絞るとリアの鋭さが際立ちます。
カッティングをするときは少し絞ってタイトに、アルペジオをするときは少し開いて温かみを加えるといった使い分けが可能です。手元の操作だけで、曲の雰囲気を自由自在に変えられます。
手元のボリュームだけで歪み具合を操る方法
リッケンバッカーのボリュームノブは、音量を下げるだけでなく、歪みの量を調整するのにも優れています。アンプを少し歪ませた状態でボリュームを8くらいに下げると、綺麗なクリーンサウンドに変わります。
そこから一気に10まで上げれば、力強いドライブサウンドでソロを弾けます。足元のエフェクターを踏む手間が省けるため、演奏に集中できます。「ボリュームを絞っても音がこもりにくい」のがリッケンバッカーの隠れた長所です。
2つのアンプを鳴らすリック・オー・サウンドの遊び方

620の側面には、ジャックが2つ並んでいます。1つは普通のジャック、もう1つがステレオ出力用の「Rick-O-Sound」です。これこそがリッケンバッカー独自の遊び心です。
ステレオ出力専用ジャックの仕組みを理解する
このジャックを使えば、フロントピックアップの音とリアピックアップの音を別々に出力できます。1本のギターから2つの異なる音を出すという、贅沢な体験が可能です。
専用のキットが必要ですが、フロントはクリーン、リアは歪みといった極端な使い分けもできます。ライブで圧倒的な音圧を出したいときに、これ以上ない武器になります。
- ピックアップごとに別々の出力が可能
- 1本のギターで2つのアンプを同時に鳴らせる
- レコーディングでも音が重厚になる
Y字ケーブルを使って音を左右に振り分ける
「Rick-O-Sound」を使うには、ステレオプラグを2つのモノラルプラグに分けるY字ケーブルが必要です。それぞれのプラグを2台のアンプに繋ぐことで、音が左右に広がります。
右のアンプからは歪んだ音、左のアンプからは綺麗なクリーンを出すといったセッティングも思いのままです。これだけで、バンドメンバーがもう1人増えたような厚みが生まれます。
エフェクターを2系統に分けて空間を支配する
アンプを2台用意しなくても、マルチエフェクターや2つの歪みペダルを使って音を分けるのも面白いです。片方には深いリバーブをかけ、もう片方はタイトなドライ音にするだけで、立体的なサウンドになります。
1人で弾いているときでも、ホールで弾いているような広がりのある音を楽しめます。他のギターでは絶対に味わえない、620ならではの特権です。
リッケンバッカー620を快適に弾き続けるための注意点

リッケンバッカーは、他のギターとは少し違う「お作法」があります。ここを知っておかないと、せっかくのギターが弾きにくく感じてしまうかもしれません。ちょっとした練習と知識で、驚くほど快適に弾けるようになります。
ネックの幅と弦の間隔に慣れる練習
リッケンバッカーを初めて手に取ると、ネックの幅が狭いことに驚くかもしれません。弦と弦の間隔が詰まっているため、最初は指が隣の弦に触れてしまうこともあります。
まずはローコードを1音ずつ綺麗に鳴らす練習から始めましょう。慣れてしまえば、手が小さい人でも指が届きやすく、複雑なコードフォームも楽に押さえられるようになります。
2本のトラスロッドを扱う際の正しい手順
620のネックには、トラスロッドが2本入っています。これはネックの反りを非常に細かく調整するためです。
左右のバランスを考えながら回す必要があるため、慣れないうちは自分で無理に回さず、楽器店に相談するのが1番です。2本あるおかげでネックがねじれにくいという大きなメリットもあります。
特殊なテールピースでのスムーズな弦交換
「R」の形をしたテールピースは、弦を引っ掛ける隙間が狭いため、交換には少しコツが必要です。弦を緩めたら、ボールエンドが外れないように指で押さえながら巻き上げましょう。
焦らずに1本ずつ丁寧に行えば大丈夫です。この手間も、リッケンバッカーを愛でる時間だと思えば楽しくなってくるはずです。
330や360などの定番モデルと比較した違い

リッケンバッカーの定番といえば、空洞のある330や360ですが、620はそれらと違って空洞のない「ソリッドボディ」です。そのため、音の立ち上がりが速く、よりタイトな響きになります。
中身が詰まったソリッドボディならではの重厚感
330よりも音が「塊」になって飛んでいく感覚があり、ロックやパンクといった激しい音楽にもよく馴染みます。ハウリングもしにくいため、大音量のライブでも安心して使えます。
- 空洞がないためハウリングに強い
- アタック感が強く、タイトなサウンド
- 音がぼやけず、歪ませた時のノリが良い
ライブで長時間抱えても疲れにくいサイズ感
330や360はボディが大きく、腕の置き場所に困ることもありますが、620は非常にコンパクトです。女性ギタリストや、小柄な日本人の体格にはぴったりのサイズ感と言えます。
ボディが薄いため、体への圧迫感も少ないです。数時間のライブステージでも肩への負担が軽く、最後までベストなパフォーマンスを維持できます。
メンテナンスと保管で気をつけるべきポイント

リッケンバッカーは塗装が非常に美しいギターです。だからこそ、一生新品のような輝きを保っておきたいですよね。
リッケンバッカーの塗装は非常に美しくデリケートなので、適当に扱ってしまうとすぐに曇ったりパーツがサビたりしてしまいます。高価な楽器だからこそ、日頃のちょっとした手間で10年後、20年後の状態が大きく変わります。
演奏後の拭き上げで塗装の曇りを防ぐ
リッケンバッカーの塗装、特に黒色の「ジェットグロー」などは指紋や皮脂が非常に目立ちます。放っておくと汗に含まれる塩分で金属パーツがくすんだり、木材に悪影響を与えたりします。弾き終わったら必ず、柔らかい布でボディ全体を優しく拭くことを習慣にしてください。
拭くときは、汚れを広げないように綺麗な面を使ってください。特にブリッジ周りや弦の裏側は汗が溜まりやすく、サビの原因になりやすい場所です。マイクロファイバークロスの使用がおすすめですが、塗装との相性もあるため、専用のポリッシュを使う際は必ず目立たない場所で試してからにしましょう。
- マイクロファイバークロス:塗装を傷つけずに汚れを落とす必須アイテム
- ギター用ポリッシュ:汚れがひどい時だけ、塗装に合うものを使用
- シリコンクロス:金属パーツの保護に有効だが、ボディには使わない方が無難
適切な湿度調整でネックのトラブルを回避する
ギターの大部分は木でできているため、湿度の変化にはとても敏感です。日本の夏は湿度が高すぎ、冬は乾燥しすぎるため、何も対策をしないとネックが反ったり指板が割れたりすることがあります。理想的な湿度は45%から55%の間だと言われています。
部屋の中に湿度計を置き、極端な乾燥や湿気を避けるようにしてください。特にエアコンの風が直接当たる場所や、冬のストーブの近くに置くのは絶対にやめましょう。ケースに入れて保管する場合は、中に湿度調整剤を入れておくと、湿すぎるときは吸い取り、乾燥しているときは放湿してコンディションを一定に保ってくれます。
- デジタル湿度計:正確な数値を把握するために部屋に1つ置く
- 湿度調整剤:ハードケース内の湿度を一定に保つための便利グッズ
- ギタースタンド:ゴム部分が塗装を変色させることがあるので、布を巻くなどの対策を
長く使わない時にコンディションを維持するコツ
もし数週間から数ヶ月ギターを弾かない場合は、弦を少し緩めてから保管してください。リッケンバッカーのネックは2本のトラスロッドで補強されていますが、常に数10キロの張力がかかり続けるのは大きな負担になります。ペグを1回転から2回転ほど回して、テンションを弱めてあげましょう。
保管場所は、湿度の変化が少ないクローゼットの中などが適しています。弦を緩めすぎると逆に逆反りの原因になることもあるため、半音から1音下げる程度で十分です。時々はケースを開けて空気を入れ替え、状態が変わっていないか目視で確認することも、愛着を持って長く使い続けるための秘訣です。
- 弦を緩める:ペグ1〜2回転分を目安に張力を逃がす
- ケース保管:ホコリや衝撃から守るためにハードケースを活用
- 定期的な確認:数ヶ月に一度は手にとって、弾いてあげるのが1番のメンテ
まとめ:リッケンバッカー620で唯一無二の音を鳴らそう
リッケンバッカー620は、その美しいルックスだけでなく、スルーネック構造や独自の回路が生む唯一無二のサウンドが最大の魅力です。少し癖はありますが、使いこなせればこれほど頼もしい相棒はいません。
- 波打つような独自のボディラインは唯一無二の存在感。
- スルーネック構造による豊かなサスティーンが魅力。
- 第5のノブ「ブレンダー」を使いこなすと音の幅が広がる。
- ソリッドボディなので激しい歪みや大音量でも扱いやすい。
- リック・オー・サウンドによるステレオ出力が楽しめる。
- 手が小さい人でも握りやすいコンパクトなサイズ感。
- 2本のトラスロッドなど、長く使うための堅牢な作り。
まずは楽器店で、620を構えてみてください。そのコンパクトな抱え心地と、ジャリッと鳴る鋭い音に、きっと心を奪われるはずです。あなたがリッケンバッカー620を手に、ステージで輝く日を楽しみにしています。